1-2 高齢者に配慮する視覚表現の留意点 高齢者の視覚特性の条件から、以下の留意点などが指摘できる。 ○視力の低下:視力は20才を境に年齢とともに低下し、70才代では0.5程度になることから、 1.視力0.6〜0.5を基準に文字高/図形サイズを検討する 2.外照型のサインでは表示面の照度を500lux以上とする(案内地図など) ○輝度の弁別能力の低下:輝度対比(図と地の)が低い場合高齢者は見にくくなることから、 1.図と地の輝度比をグレアが生じない範囲で大きくする* (明度差の大きい表示面を、適切な明るさで照らすことによって得られる) *次項に示すように輝度が高すぎても高齢者は見にくくなる。 ○白内障化による色の識別力の低下:特に青と黒の区別、黄と白の区別がつきにくくなる。 また輝度の高い対象物が視野に入るとグレア(眼球内で光が散乱し見えにくくなる現象)が起き、見にくくなるが、特に高齢者では瞳の濁りによってグレアが起こりやすくなり、高輝度に対する順応が困難になることから、 1.青地に黒の文字・図形、黒地に青の文字・図形の色の組合せを避ける 2.黄地に白の文字・図形、白地に黄の文字・図形の色の組合せを避ける 3.サインの周囲に、輝度の高い灯具などを配置しない 4.内照型の器具は輝度が高くなりやすく見にくくなることが多く、表示面の輝度の高い所でも1000cd/?u以下になるよう輝度を調整する 1-3 視覚障害者に配慮する視覚表現の留意点 視覚障害者の中の弱視者/色覚異常者の視覚特性の条件から、以下の留意点などが指摘できる。 ○弱視者:弱視者にとっては誘導ブロックの目立ち方が重要であることから、 1.周囲の床面との輝度比が2以上となるよう誘導ブロックの色彩と照明を計画する ○色覚異常者:色覚異常者の比率は高く、特に多い赤緑色盲に対する配慮が必要であることから、 1.赤地に緑の文字・図形、緑地に赤の文字・図形の色の組合せを避ける 2.色に関りなく、図と地に明度差(最低2.0)をつける 3.赤と緑の色の違いだけで伝える視覚情報は避ける (例:歩行者用信号では赤と緑の色に加え人型のピクトグラフを使用している)
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